「麒麟がくる」の麒麟って何?どういう意味が込められている?
目次はこちら
麒麟がくるの麒麟(きりん)とは
第59作目2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」で、長谷川博己さん演じる主人公・明智光秀の物語が紡がれます。
でも”麒麟”という言葉を聞き慣れない人が多いかも知れません。
動物のキリンとはちょっと違うようです。
日本で一番「麒麟」と言えば、やはり「キリンビール」ですかね。
ラベルに、駆け出すような姿で描かれている不思議な生き物ですね。

麒麟ビール
(画像引用:本麒麟公式ページ)
「麒麟」とは中国神話に現れる、伝説上の霊獣で、中国語では「チーリン」と呼ばれてます。
この空想上の獣がどんな性質をしているのか、また「麒麟がくる」にどのようなメッセージをもたらすのか詳しく紹介していきます。
麒麟の見た目は?
麒麟は、鹿に似た外見をしていて5mという大きな背丈をしていると伝えられています。
顔は龍に似ていて、角があり、牛の尾と馬の蹄をもち、体はうろこでおおわれている、幻想的な特徴があります。
また、背毛は五色に彩られ、毛は黄色い。
麒麟の性質は
麒麟の気性は穏やかで、虫や植物を傷つけることすら嫌うほど優しい性格と言われてます。
神聖な幻の動物と考えられ、麒麟を傷つけたり死骸に出くわすことは不吉だとされています。
周から漢にかけて儒学者がまとめた書物「礼記」によれば、王が”仁政”を行った時に現れる神聖な生き物と書かれてます。
この仁政とは民衆に恵み深い政治のことで、秩序ある政治を行う者の前に麒麟が姿を見せると言い伝えられてます。
また、麒麟は、鳳凰、霊亀、応龍と共に「四霊」と称されています。
日本橋の麒麟像
実は東京都中央区にある日本橋にも「麒麟」をモチーフにした像があります。
その原型制作は彫刻家の渡辺長男が手掛けたもので、麒麟のブロンズ像の鋳造は、渡辺長男の義父・岡崎雪聲が行いました。
日本の道路の起点となる日本橋から飛び立つ、というイメージから麒麟に翼がつけられ日本橋独自ののフォルムが印象的です。
名作の舞台になっている日本橋はまさに聖地ですね!
旅の起点は #日本橋
橋の入口には東京の紋章を守る獅子の像🦁
橋の中央には全国に旅立つ翼を持つ麒麟の像🐉
橋の袂には #日本国道路元標 も🛑
橋の上には #首都高速 が走っているけど、昔の人には空中を車が飛び交う #未来都市 に見えるかも♪
この橋は昔も今も #旅人の聖地 なのかも♫#麒麟の翼 pic.twitter.com/C7F4keUtO4— ライゼ (@Reise_tw) January 12, 2020
過去に麒麟の像が登場した他の作品があった
この麒麟像が2019年の大河ドラマ「いだてん」に登場していましたね!
「いだてん」6話で日本橋を走る金栗四三と美濃部孝蔵が、すれ違うシーンが丁度、麒麟像の前でした。
その二人がオリンピック走者と落語家に羽ばたいていく内容に相応しい場所でしたね!
「いだてん」ファンも「麒麟がくる」を心待ちにしてます!
#いだてん #麒麟がくる
志ん生『え~、麒麟なんですがね、ようやく箱根駅伝が終わったってんで日本橋を発って「火事だ火事だ~」ってんで京の都に向かったんですねこれが』
四三さん『麒麟ば明智さんとこ着かんと始まらんばい』
まーちゃん『火事だ火事だって本能寺じゃ洒落にならんじゃんね~』 pic.twitter.com/Oorl8tEPGV— たけたけ@黒田武士研究所 (@taketak39460607) January 5, 2020
そして映画「麒麟の翼~劇場版・新参者~」でも
2012年1月28日に公開された、阿部寛主演の映画「麒麟の翼~劇場版・新参者~」にも麒麟の像が登場してました。
この作品は数々の名作を生み出す東野圭吾原作の地上波ドラマの続編にあたり、当時大ヒット記録を残しています。
日本橋にたどり着いて死んだ男の物語に麒麟の像が重要な意味で描かれていました。
「麒麟」が阿部寛さんが真実を熱く語るラストの感動シーンへとつながりました!
「麒麟がくる」の放送からも巡礼者が増えそうですね!
#日本橋 #麒麟の像。
大好きな映画「#麒麟の翼」のロケ地巡りしてきました〜😊 pic.twitter.com/1rYy1xJaMy— じょーすけ (@T_with_masha) December 31, 2019
明智光秀が麒麟の象徴なのか?
明智光秀は、織田信長の家臣であり謀反を起こした「本能寺の変」で有名ですね。
そのことから常に主君の寝首をかくのを狙う、陰湿で、神経質で、裏切者というイメージが強くありますね。
また、若いころのことは謎が多くいつ生まれたかも解明されていません。
歴史に埋もれてしまった明智光秀の事実が気になりますね!
#明智光秀
消された武功や秀吉の手柄に書き換えられた歴史書もあるのかぁ、、。— 花形@右京 (@ukhanagata) January 13, 2020
「明智光秀」が麒麟という意味なのか?
幼少から非凡な才能を持つ子供のことを「麒麟児」と呼びます。
そして明智光秀も幼いころから明晰で非凡であり、「麒麟」が光秀自身のようにも考えられなくもありません。
しかし麒麟が、具体的な人や物体を意味するとはやや考えにくい点もあります。
でも「麒麟=明智光秀」という見方を否定するものではありません。そういう見方もありえます。
実際に長谷川博己さん、本木雅弘さん、脚本・池端俊策さんの3人の対談で次のように話されています。
長谷川博己「僕は最初にタイトルを聞いたとき、人物を指しているともとれると思ったんです。」
本木雅弘「あ、そうとも解釈できますね。キリンは明智光秀か、斎藤道三か、あるいは織田信長か。」
長谷川博己「はい、今もそれを考えながら演じています。」
(引用:NHK大河ドラマガイド麒麟が来る前編)
タイトル「麒麟がくる」に込められたメッセージとは
「麒麟がくる」には乱世の混乱を鎮める者を望むメッセージがあると思われます。
明智光秀の生まれた時代は、日本史上最悪の内戦と言われる「応仁の乱」が起こった室町時代後期から、熾烈な戦国時代へと移り変わる最中でした。
そんな中で一番虐げられていた民の希望は、平和で豊かな暮らし(仁征)だったでしょう。
そう、「麒麟がくるような時代」になってほしいと願っていたはずです。
そして、「麒麟がくる」の名付け親・脚本の池田俊策さんがタイトルに込められたメッセージを実際に語っています。
池田俊策「麒麟は平和な世に現れるという伝説の生き物。
しかし、人間の争いは無くならない。
永遠の課題です。
果たして争いのない世は来るのか。
そんな問いかけを込めたタイトルなんです」
「僕はね、自分が光秀だったら?と思って書いてるんです。
独裁的な道三の下でどう自分を制御し、納得させたのかと。
そして長谷川さんが言うように、外に視野を広げる中で、
全体の平和がなければ個々の争いが絶えないと気づき、麒麟という概念に行き着くわけです。」
(引用:NHK大河ドラマガイド麒麟が来る前編)
池田俊策さんの「麒麟がくる」のタイトルはとっても興味深く、ますます明智光秀という人物に興味がわいてきますね!
猛々しい光秀を、酸いも甘いも噛み分けた老獪な光秀を、そしてやはり善良なる光秀を、見てみたい。#麒麟が来る
— ひしもち (@Skyanariwoe) January 12, 2020
まとめ
2020年という特別な年に放送される「麒麟が来る」にSNSもいつも以上に盛り上がってます!
「麒麟がくる」というタイトルには、池端俊策さんの熱い思いが込められているのがお分かりいただけましたでしょうか?
今まで悪いイメージが定着していた明智光秀が、長谷川博己さんの演技と、池端俊策さんの脚本で、人々にどんな反応を引き起こさせるか楽しみですね!
そして、血なまぐさい戦いの時代を平和に導く者の出現を大河ドラマ特有の壮大な展開で感じたいですね!
「麒麟がくる」カテゴリーの関連記事